『被害女性に知的障害、裁判所「告訴能力なし」』(2009/9/30、読売)について、分からないことを述べてみる。

事件の記事は長くない。


キャッシュが取れなかったので、以下にも掲載。

被害女性に知的障害、裁判所「告訴能力なし」


 宮崎地裁延岡支部が、わいせつ目的誘拐と強制わいせつ罪に問われた男について、公訴棄却の判決を言い渡していたことが分かった。


 両罪とも被害者の告訴が必要な親告罪で、同支部は被害者女性に知的障害があり「告訴能力がない」と判断した。


 宮崎地検延岡支部は29日、判決を不服とし福岡高裁宮崎支部に控訴した。


 地検の発表によると、起訴されたのは宮崎県高千穂町向山、無職飯干広幸被告(60)。起訴状では、飯干被告は2月11日、高千穂町内で、県内の20歳代女性を乗用車に乗せ、体を触るなどのわいせつな行為をした、としている。判決は16日にあった。


(2009年9月30日00時45分 読売新聞)


これ以上のことは分からないので何とも言えない。私には刑事訴訟のプロセスなど詳しくないので判断のしようがない。他の新聞に記事はないかと地元紙も少し見たが、上手く見つからなかった。読売だけの報道かもしれない。きっとどなたかいずれ取り上げて整理・説明してくださるかなーと、ギョーカイのほうを向いてつぶやいてみる。


以下は、まったくの素人がわからんなーと言ってみるコメントである。だからコメントというか疑問自体がおかしい可能性もある(用語がおかしい可能性すらある)ので留意されたし。

  • 単純に本人を見て全般的に能力判断した結果なのか。それとも告訴に関連する事項を含めて本件に限定した告訴能力判断なのか(こっちだとは思うが)。告訴能力を理由にした以上は告訴の事実内容に信憑性があるか無いかまで含めた(踏み込んだ)のではないのかしらと素人は思うが、実際はどうなのか。
  • ついでに、能力問題とは独立して信憑性自体が疑われるあるいは公判開始に踏み切り難い事実関係があるのかどうか。しかし検察がやろうと判断した以上は、ある程度の事実関係が揃っていたんだろうと思われるのだが、どうか。
  • 事実内容の重大性はどうなのか。重大性という概念があるかどうか知らないし、また重大性如何によって手続きが異なるのかも分からないけど、しかし事と次第によっては、そんなこと何で放っておくんだよと憤りたくなるだろう。加えてこの場合の重大性とは、単に外形的な問題ではないはずだ。そういうのも分からない。記事で“体を触るなどのわいせつな行為”という場合は、決してそれだけでは済まされない場合が多い。
  • ここでいう告訴能力と証言能力は同じようなものと考えて良いのか違うのか。どの程度あれば告訴能力があるとされるのか。あるいはどのような要素が能力として求められるのか。その辺で相場は確立されているのか。さらには、今回の場合の能力不十分であるための理由は詳らかにされているのか。
  • 後見人代理人を立てて本件を再度告訴できるのか。ただしその場合はまたさらに一定の時間が経過してしまう。
  • 他の件も含めて、告訴能力が曖昧であってもそこには触れず公判を起こす場合はこれまでにもあったろう。今回の判断は、そのような過去例に対してどのような影響を与えるものか、あるいは与えないか。


※追記
これについては既に幾つか答えがブログにあったので、次のエントリーに書き足しておきます。