障害学生のインターンシップ

ここ何年か、若干名が企業のインターンシップに参加するようになってきていましたが、今年は少し事情もあって7名のインターンシップ参加者がいます。私が把握しているだけなので、他にもいるのかもしれません。

障害学生の求人については、ここ何年か活発になっているように思われます。もちろんハロワや六本木、あるいは各種人材会社(といえば良いのか)のイベント等は行われてきましたが、大学の障害学生とチャネルが合ってきたのは、近年のような感じがします。実際、企業の本学訪問(障害学生の求人を目的とした)も3年ほど前から増えてきています。この点については、さらにその前から始まった、障害学生の大学入学者数増加と連動している点だけでなく、企業側での変化もあると思われます。
それに加えて、いわゆる就活の後ろ倒しがインターンシップを刺激しており、その波及として障害学生も参加が多くなってきたのかもしれません。これらはおそらく複数要因の複合なのでしょう。

昨日は、2名がお世話になっている、某携帯会社の担当者がお見えになり、挨拶させていただきました。
9月になると、別のPC関連会社でのインターンシップが始まります。その方々とは、今後のインターンシップの持ち方について話し合いをする予定です。
インターンシップは見学のような短期から長期に渡るものまであります。また中身も擬似的な体験から、新入社員のように業務分担して成果を求める対応までプログラムもいろいろです。今回のインターンシップは、いずれも2〜4週間の、しかも有償を基本とする、比較的じっくり取り組むプログラムのようです。すでに始まった学生の話を少し聞いたところ、聴覚障害者には慣れている会社であったことも幸いしてか、「すっごく楽しい」勤務をしているようです。これから他の学生からも話を聞くのが楽しみです。
昨日担当者から聞いたところでは、遠く熊本からインターンシップに来ている学生もいるとのこと。その方の場合は、あまりわからないままに単身乗り込んでいくような心細さもあったのかもしれません。その点は本学学生のほうが若干良い環境になったかもしれませんが、しかし思い切って新しい世界に入っていくところは同じ。良い経験となりますように。

もちろん倫理憲章のとおり、内定直結であると謳われているものではありませんが、就職と自分のイメージ形成や通勤の経験などは、自分のキャリア形成を具体化させる契機のひとつにはなるでしょう。そして企業側からすれば、障害のある社員を自分の部局に迎えるための方法を考える場となるようです。

ここまで書いたのは良い話。今後このような機会が増えていくと、難しいことも困った話も出てくるのでしょうが、まずは現状の課題のひとつである、大学の次の自分をイメージするための試行錯誤が積み重なれば良いと思います。私ももう少し取り組みを深めることになりそうです。