実例からみた身上監護の枠組みと運用(実践成年後見No.23)(その3)

今までに書いたのはこちら。

(その1)
(その2)

いい加減長くなったので、1〜2点を簡単に。
 
■これも当たり前なのだけれど、連携の重要さを書いた。法律と福祉の両方が必要になる支援である。そういう意味も含めて原稿では「オーバーラップ領域」という言葉を出した。厳密な規定は勘弁していただくとして(もし必要なら今後やりますが)、そのような重なり合う領域なのだから、両者の協力が必要。それに後見人1人で本人に必要な対応のすべてができるわけではないし。できないところは他の人と一緒にやっていく。すると後見人は自らが本来すべきことに専心できる(かもしれない)。
この際、リーダーシップはいろんなパタンがあるので、後見人が必ずしも取る必要は無い。キーパーソンが誰かをきちんと見すえることがむしろ重要。キーパーソンといっても、ゲートキーパーとしてのキーパーソンもあれば、コーディネータ/マネージャとしてのキーパーソンもいる。
それからもうひとつ。今のところこの連携は、社会資源が十分だと作りやすいが、そうでないと後見人が被る可能性もある。それが後見人の職務の理解を難しくしているかもしれない。


■オーバーラップ領域についてはノウハウ集のようなものが必要ではないか。それが両者の橋渡しになる。これについては(その1)で書いたので省略。MCA2005 / Code of Practice の面白さみたいなことを別エントリーとしてもう少し書きたいのだが、ちょっと余裕無いかも。

民法ベースで考えられることとそうでないことがある。これをわきまえるともっとわかりやすくなるのではないか。


なんだか最後は力尽きてしまった。やはり雑誌掲載原稿をお読みくださいますようお願いいたします。