頭を空っぽに

四谷で用を済ませて駅へ向かう。このまま電車に乗るといつもの所用に取り込まれるという感覚があり、できればそうしたくなかった。


それで横を見ると「いーぐる」があったのでそのまま階段を降りて地下へ。こう書くと常連のように読めるがそうではなく、なんだここにあったのかという感じで。名前はもちろん知っていたけど来るのは初めて。


本を読み始めるものの、しばらくすると眼の疲れを取るような感じで音に聞き入ることになる。強制的にというか自然とそうしたくなるのは、たぶん音が普段聞いているのよりも良いからだと思う。聞くことがまったく正当な態度としてアフォードされている。
まあ平素の私の音がアレなので、他所で聞くたいていの音は良いのだが、それにしてもベースや管の音がしっかり聞こえて伝わってくるのは気持ちがよい。こういう音の浸り方をしばらくしていなかったなあと実感。

ああ面白いなと思う音も聞こえてくる。チラとジャケットを見る。知らないわ。まあいい。


何もなければしばらくそうしていたいところだが、次の予定のためそそくさと席を立つ自分が情けない。