direct payment利用の増加

矢部さんの記事について、未消化なのだがメモ的に記載。
英国のdirect payment利用が伸びているとのこと。

地域ケアの直接現金給付制度利用者が前年度比28%増に(矢部久美子のイギリス福祉情報)


NHSのページのどこかよく分からなかったが、たぶんこれのことではないか。

Community Care Statistics 2006-07: Referrals, assessments and packages of care for adults, England: National summary


なぜ伸びているのかという点に興味を持つ。
日本では必ずしも進まないところがある。介護保険の初期、東京都内某区ほかで試験的に導入されたところが、利用者も提供事業者も好まず、結局それで終わった(ソース紛失、報告書は持っていたから、研究室を探せば出てくると思う)。試行事業担当者に電話して伺ったのだが、書類などの手続きがたいへんだと、つまり面倒くさいというのが利用者側の理由だったらしい。
そう。自分で主体的・能動的にサービスを求め利用していくというのは、場合によっては面倒だと思う人もいる。高齢だから難しいというのもあるのかもしれないが、サービス利用についての他者依存性あるいは、サービスはいただくものという感覚も残っているのかもしれない。


いっぽう、これを積極的に利用し拡大を図りたいと考えているところもある。例えばいわゆる自立生活をしている人たち。東京都の全身性障害者介護人派遣制度などについては、日本におけるダイレクト・ペイメントの代表的なシステムと言えるのかもしれない(よく知らないので間違っていたら指摘お願い)。
彼らは、煩雑な申請手続きを越え、積極的に利用する(もちろん煩雑なのはイヤだろうと思うが)。そうして自分たちの望むサービス利用に近いかたちを確保したいと考える。こうしないとサービスを取れない、というところもあるのだとは思うが。


もう少し確認しないと分からないが(だから未消化のままで書いていることはご容赦ください)、矢部さんの記事あるいは上記のイングランドの統計だと、高齢の人の利用も伸びているのだという。面倒くさいと思わないのか。面倒だけれども手続きしないと他にサービスも無いのか。


英国の知的障害関係の資料を見ていても、ダイレクト・ペイメントのサービスが使えるから積極的に使いましょうとガイダンスが書いてあったりする。そのような流れの中で、結果として利用の増加となったということなのか。


日本にもダイレクト・ペイメントについて参照すべき文献は幾らかある。そういうのを読んでから言及すべきなのでしょうね、こういう話は。本件について内実ご存じの方はお教えください。
駄文失礼しました。

障害者自立支援法とケアの自律

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