被虐歴のある知的障害の女性

AJMR 113(2)からの紹介。2本目。

Linda Hickson, Ishita Khemka, Harriet Golden and Aikaterini Chatzistyli
Profiles of Women Who Have Mental Retardation With and Without a Documented History of Abuse
AJMR, 113(2), 133-142.

知的障害のある女性を、過去5年の間に被虐歴があるかどうかで2群に分けた。記録のある女性はそうでない女性に比べて消極的・回避的な意思決定をしがちで、高いレベルのストレス報告があり、二重診断を持っており、カウンセリングを受けている傾向が高い。また外出時に他者に依拠する必要があった。
このような特別のニーズがある女性の支援に際しては、十分な留意をするべきである。

dual diagnoses について曖昧だったのでこのブログで問い合わせしていたところ、知人から、二重診断ということでよいのではとのコメントをいただいた。彼女はこの領域の実践と研究をしていた方で、その際には知的障害と精神疾患の診断を併せ持つということで使われていたとのこと。二次的な疾患も含めてということかと思われる。(この部分のコメント修正、2008/02/10)


知的障害のある人に対するカウンセリングを含めた支援については、日本でも(日本では?)未だに十分ではない。そのようにできる人は多くないし留意する人も少ない。
被虐歴の有無にかかわらずそのようなメンタルサポートは必要であろうが、顧慮がなされていない。