成年後見法世界会議in横浜2010

これまで世界各国で行われてきた成年後見法に関する世界会議が、今度は2010年に日本で行われる。

成年後見法世界会議
 期日:2010年10月2日(土)〜4日(月)
 場所:パシフィコ横浜ほか


私にはまだこれ以上のことは分からないが、学会主要メンバーは会場確保や準備に奔走しておられるようだ。
よろしかったらご参加を。私もどこかに顔を出せればと思う。


この開催、2000年の現行法以来、日本も頑張ってきたというところを示したいのではと思われるが、しかし幾つか(個人的に)懸念する点もある。


例えば法人後見という日本的になかなかユニークなスタイルが展開する中にあって*1、他国が禁止事項として挙げているような事態も其処此処で進みつつある*2。これについて問われた際に、日本はどのように態度表明し、説明するのだろう。


また(禁治産制度に対して)近年の新たな利用者である高齢者・障害者などの福祉的活用を展開するためにはどうにも勝手が悪いままであることは指摘されている。法改正するにしても運用改善で進めるにしても、それなりに大きな改編は必要だと考える。もともと資産管理のための法律であったのが、改正に当たってノーマライゼーションなど個人の権利擁護を志向する装いを示したのがこの成年後見制度。そのためにざっくりと資産管理的に制度運用すれば良しとする人と、福祉的に活用展開した方が良いと考える人の間で曖昧に使われ、混乱を呈している部分がある。
この法が福祉法だというのは無理がある。しかし実際に適用される人たちには実際にかなりの福祉的な支援が必要とされるのだから、何らかのかたちで連動が容易になる手立てを整えておかなければそもそもの改正法の趣旨をも損なうことになるというか、下手に使われて却って困ることになるのが落ちなのだ。

前にも書いたが、これを実現するために(あるいはその方向に進めるために)は、法曹界の手続きは容易ではないように思える。だからオルタナティブとしての福祉側からのネットワーク勢力によるスタイルの提唱と実践の積み上げ、そしてそれらに基づく厚労省サイドの事業化などが必要ではと、個人的には考えている。
そして、そのようなネットワーク化が始まってきている。


ということで、新年のエントリーではそのネットワークのことと、2月初旬の企画について紹介する。各位もご参加くださいませ。
先ずはネットワークから。

*1:この点は本来望ましくないが止む無しという消極的肯定…

*2:こちらは反対。また改めて言及するかもしれない。分かっている人はこれだけであの話ねと言うことだろう。しかしただ反対と言うだけでは意味がないので、どうしたら良いか考えている。