「障害学生対象就職支援講座」実施から考えたこと

疲れもあって上手くまとまらないのだが、早めに書き出しておく。文章の脈絡が無くてもその辺は許して。
下記の企画を本日実施した。参加してくださった方々にはどうも有り難うございました。また準備に携わってくれた職員、学生スタッフのみなさん、有り難うございました。やって良かったです。アンケート取り忘れて残念。


すっきりと気持ちの良い秋晴れ。少し暑いくらいだが、風通しをよくしておくとなんとか快適になった。湿度が低い。

資料はけっこう余ることを覚悟で50部を準備してもらったが、40部と言わなくて良かった。学内の障害学生と関心のある学生、それに学外からも学生参加があった。加えて日本学生支援機構(JASSO)の方々や研究者、私立大の方など、学外からも参加をいただいた。


株式会社イフの方を講師として、障害学生の就職の概要から障害がある人の仕事ぶりの紹介、就職の手順などを講述。学内の就職支援についてガイダンスを入れてから質疑応答と今後への希望などを聞いたところで、ほぼ規定時間を終えた。講師の説明は、データに基づく丁寧な説明と事例紹介だったと思う。たとえば、事務職と出ていても仕事の中身はいろいろだし、また同じ経理でも企業によって関わり方は異なってくる。わかったうえで自分に合う仕事にトライする方が良いのは当然だ。しかし就職活動において不十分だと反省されるのもこの「企業研究」なのだ、等の指摘がある。*1

就職課からも障害学生支援に関心のある方が参加してくださって、過去の支援実績を紹介してくれた。こちらの期待する以上に積極的な支援だったので、自分の不見識を恥じた。窓口対応に加えてもう一手間をかけて後押ししてくれていた。当初に希望した就職先へは行けなかったようだが、就活の過程で自己認識や企業研究、環境把握などを進めることができ、それらが結果として次の就職へとつながったのだとの指摘は具体的でわかりやすかった。企画の開催協力だけではなく、今後はさらに実質的なコラボができそうで嬉しい。


(改めて)確認できたのは、就職活動の際に気を付けることや就活スタートの切り方など、障害の有無に関係なく取り組める(支援する)部分はあるようだということ。しかしそれらの手順を有効に活用するには壁があるのかもしれない。それは情報や物理的な壁はもちろんなのだが、加えて心理的な壁もあるだろう。どのように進めていけば良いか分からない、受け入れてもらえるか不安、相手と自分の見ている先が同じか違うのかわかりにくい、等々。その壁を低くするのは、適切な情報提供と、これで間違ってはいないと進んでいくための後押し、難しかったときに話を聞いてくれる存在、等なのだろうか。その辺はまだこれからじっくり考えていきたい。


ただ本日得た認識を他大学のどのような支援環境についても適用できるかどうかは、慎重に考えるべきかもしれない。自慢になるのかどうか、たまたま本学には障害のことについても積極的な就職支援担当職員がいて、良い連携を取ってくれているのかもしれないし。でも通常はなかなか支援環境が整わないので、個人の努力に依存することとなる。

わざわざ障害学生を特定して就職支援(講座)などしなくとも良いのではないか?と聞かれたときは、まだ個人的な努力によって対処されていることを、システムとして定着させるために騒いでいると答えておきたい。
もうひとつは先に挙げた壁を低くしたいという理由。


それとこれもやはり改めて理解したってことなのだが、就職したければやはり本気ですべきこと(情報収集、企業研究、面接、等々)に取り組んでいかなければならないのだなと。障害学生のデータについて調べても、就職内定取れた人は、やはり50〜100社のエントリーをしているそうだ。また自分のPRを準備して訪問する会社についてきちんと調べて、本当にその会社で仕事をしたいとの意思を伝えられるかどうかが重要である点も、先輩のデータから示されていた。言われてみればその通りなのだが、その当たり前とも言えることをやれるかどうかで厳しい就職への成功を得ることができるのだろう。講義でも、そのような事実を実際に肌身に感じて動くことがこのような講習の意義だと指摘があったように思う。


今後への希望などを参加学生に募ったところ、次年度以降も実施して欲しいということと、それから身近なOB・OGの就活経験を聞きたいとの希望が出た。これらは今後の企画に活かして行くこととなる。


それから今回やってみて思ったのだが、本学では就職に関する障害学生の過去実績データが積み重ねられていない。私たち教職員は個人的に誰がどこへ就職したかなどの記憶とコネを持っている。私が数名、あの人が数名、という感じでそれぞれが何となく持っている。しかしうちの大学としてどのような就職先に誰が行ったかなどのデータを毎年把握できていないし、それらの整理もない。今後は就職課とともに協力してデータを集め、まとめる必要がある。
 

大学での就職支援プログラムのあり方、就職支援と障害支援など関係諸機関の連携のあり方、企業などとの情報の流れの整理など、検討していくことはある。これらの成果はまとめてシステムとして提起できるようにしていくべきかもしれない。私たちの課題である。
 

*1:講師の株式会社イフは障害がある人の民間企業への就職を支援している会社であるから、今回のテーマは民間企業であり、公務員・教職は除かれていた。