「成年後見人である親の集い」を開催(その2)
(その1)からの続き。
自己紹介と後見類型、お子さんの障害程度(療育手帳判定)などをひと渡り確認してからテーマに沿った意見交換に移る。参加者すべてが後見類型、そして1人を除いて○A〜A判定だった(1名がB1判定)*1,*2。前回は細かいアンケート項目を事前に記載していただいたうえでの開催だったが、今回はしていない。その分、冒頭で簡単な確認をした。前回はアンケート項目の消化を意識したので話が細切れになったきらいがある。今回はどうせ1回の会では話し尽くせないと腹を決め、みなさんの中から出た関心を大切にしようと臨んだ。
2時間ほどの中で幾つかのテーマが話された。記憶の限りで言うと以下の通り。私は事前に大まかな構成を考えていただけで、テーマは流れの中で作った。
- 事件って言うんですね
- 報告書の書き方・内容、どの程度まで書けばよいかについて
- (ちょっと言えない話1・2)
- 後見受任して親と違ったこと
- 金融機関の取り扱いトラブル*3
- 後見は必要か、必要ならいつ申し立てするか
- 何のための後見受任か
- 後見申立をする前に必要なことは
- この会のこれから
ちょっと言えない話は、実は前回も話題に出た。でもこれはオフレコ。
事件っていうんですねとは、家裁から送られてきた文書の肩書きが「事件」と書いてあって困惑したという話。家裁側から見た仕事の単位だと思うことにしましょうかと。
報告書は当初1年で提出となるが、紛争性がない場合は3年間隔になるようだ。うーんそうなんだ、と。また財産管理面のチェックは為されるが基準が統一されているわけではなく、担当によって異なることが話し合われた。報告書の内容は人によって様々で、書き方の情報交換ができたのは事務的に有益だったようだ。
身上監護面の報告はほとんど為されない。というかチェック対象にない*4。家裁はとても忙しくて、今でもどんどん事務の簡略化をしようとしている。手続きの合理化を良しとする部分もあるけれど、しかしその中で鑑定手続き省略の問題やこうした身上監護に対する考慮が削られているという見方もできないか。まあ家裁は本当に紛争になるところをチェックできればよいから、かなり閾値を高く(感度を鈍く)しているのだとの言い方もできる。とすると、それを考えたり気にしたりする仕事はひとえに後見人に委ねられるということではないか。もう少しよく考えていく必要があると思う。
(その3)へ続く。