魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜

第1回が放映されたところ。

背景が実写から起こしたような絵であり、これを多用していることに先ずは驚かされる。これ、参考写真はあるものの、すごい手間をかけて描いているらしい。


作画のミスが少しあったらしく、そのへんからphotoshop仕事でしょとつっこむ書き込みも見受けられる。なんだか細かいところを見てるなあ。ぜんぜん気づかなかった。*1
道具や作成に至る手技についてはひとまず受け手には関係ないが、アニメーション全体としてすっきり見られるかどうかは気になるところ。今のところははまり込んですごく良い絵になる場合と、違和感を感じて背景に意識が引っ張られるところと、それぞれ。でもたぶん上手くいっている場合が多く、あれっと思う箇所が一部分に見受けられるというところだろうか。問題(とされる)部分は、たいていの場合強調されるから。

描き込みがすごいというと、他に誰が居るのだろう。確か、今敏もそう言われていたと思う。彼はそれを背景として溶け込ませるのが本意だと発言していた気がする*2。あれは写真的とは言われない描き込み。それからプロダクションIGとかも作品の趣向によってはすごいなあと思うことはあった。それぞれの作品に合わせてるのか。他にも各社あるのでしょうが、私は詳しくないので分からない。

今回の美瑛ではなく、次回以降の都会(下北沢)だとどうなるのだろうか。気になるところ。


それにしても、夜の星空、温室の中の降雪、友だちの佐藤みちるが想いをつたえるところ、いずれも美しかった。
とりわけ、彼女が顔を赤らめ目を閉じる横顔が美しかった。*3

また東京に出かけるために近所の人の軽トラックに乗る前の庭先の景色が懐かしかった。私は新潟だけど、田舎はあんな庭先だから。


何度か見返しているうち、これを見られるだけでもめっけもンかなと思えてきている。


それから、思ったよりしっくり来たのが、キャラクターの絵のシンプルさ。少なくとも前作*4よりは簡単になっている。
今回の主人公の鈴木ソラはまん丸の顔。その他のキャラクターにしても線がシンプル。影は付けている。でもキャラクターがこんなだから、付けすぎて深くはしていないようだ。
最初は主人公の造形がこれかよと思ったのだけれど、でも愛らしいという評価に変わってきた。


大人の動きも含めて、登場人物がふらふらっとしている動きなのが興味深い。そのような動きの中で感情などが浮き立ったりもする。こういう動きをするのが北海道の人だというわけでも無かろう。


総じて丁寧だとの感想。背景の書き込みの話についてのみ言うのではなく、物語の進め方や登場人物の気持ちの流れ方が、たぶん、そういうものも含めて丁寧という感想を抱かせる。これから事件など起こってバタバタ進むのかもしれないが。


風呂上がり、机の上に魔法士免許取得対策本?の2008年版が載っていたのはわかりやすくて良かったね。あんなに分厚いってのは、それだけ過去問でも載っているのか? あるいはいろいろな情報満載で、長期に渡る制度であるということを物語っているのか。


さてさて、これからどうなるんだろう。ひとまずは期待して第2回を待っている。


前作(2003年、菊地ユメ)のサイトはこちら。よしづきさんのキャラクターをかなり活かして描かれている。またオリジナルキャラクターやオリジナルストーリーも面白い(個人的には、アンジェラがすごく)。本作の原作者(山田典枝)が脚本家であること、アニメの脚本もすべて手がけていること、が影響しているのだろうか。

*1:風呂の栓はさすがに確認してびっくりしたけど

*2:アニメギガ出演時にそういう発言していた気が。

*3:これは背景の話ではありませんが。

*4:2003年放映、菊池ユメのとき、これはよしづき くみちさんのキャラクター原案にかなり沿っている