「偽物語」(上・下)

化物語」(上・下)、「傷物語」、「偽物語」(上・下)と読んできて、最初はそうなの?と思っていたけど次第にアンタ(作者)の言うとおりだと納得したことがある。


偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)


すなわち作者西尾維新の趣味(100%、120%、200%)で書かれたというのはまったくその通りで、なんというか妄想一杯だな。阿良々木ハーレム全開。
殊に「偽物語」(上・下)になると、言葉遊びというよりも、ヒロインとの絡み(いろんな意味での)とバトル(これもいろんな意味での)のつなぎに、つなぎと言えないほどの遊び(言葉だけじゃなくて)が挟まっている。歯磨きプレイも妄想だから面白いんであって。*1


下巻に至っては本筋の怪異が4分の3くらいから始まる感じで。


だから付き合いたいヤツは付き合えばよいし、合わない読者は読まないのだろう。私は好きだけど。


それで上巻は阿良々木火燐の怪異、下巻は阿良々木月火である。
阿良々木火燐の魅力は十分示されたけれど、阿良々木月火は物足りない。遊びが過ぎて下巻は疲れちゃったのかしらと思ったりする。
しかし本書は作者の趣味200%と言明されている。本当なのかどうか知らないが、最初は出すつもりが無かったのが出版されるに至ったとある。ならば無理もないのだけれど。


それにしても阿良々木火燐は若いのに変にエロいというか、良いね。


下巻について書き足しておく。

影縫余弦斧乃木余接は「怪異転がし」なのだそうだが、これの意味が結局よく分からなかった。ネタバレになるが、彼らが専門に取り扱う怪異が、必ずしも彼らによって終結しないということを意味しているのかもしれない。


もうひとつ。あれくらいの理屈で影縫がしらけちゃっていいのか。ならばあいつらのルールブックはかなり例外が多くなってるんじゃないのか。


主要登場人物の立場変更や月火の使い方など、下巻はけっこう破綻というかつくりが荒っぽい。ただこの物語は作者の趣味で好きなように、筆のノリノリなままに書かれたものらしいから(もしくはそういうことになっているから)、私としてはもう、“在るように在れ”、と「アベノ橋魔法☆商店街」のアルミとサッシのように言うことになる。*2
さらに聞くところによれば、CDブック「佰物語」はちゃんと99トラックあって本筋関係なしの遊び満載、卒業エピソードまであるというではないか。なんとけしからん。買いたくなっちゃうではないか。


オリジナルドラマCD 佰物語 (講談社BOX)

オリジナルドラマCD 佰物語 (講談社BOX)



ところで。
本シリーズはメタな諸事情があるんだろうね、それによって再び八九寺真宵羽川翼の物語が追加刊行されるようだ。

私はですか? もうここまで来れば読むでしょう。たぶん。


(関連)


(参考)

*1:いや実際にやったことはないけど。

*2:値段付けて売ってるんだからそんな理解は認められないとの主要も可能だが。