臓器提供あるいはいわゆる先端医療などに対する個人的なコメントなど
臓器提供を巡る課題あるいはいわゆる生命倫理に関わる先端医療について、整理できておらず書き出せない事項は幾つかある。気になって考えることはあるが、考え切れていない。
この件については、海外ではなく私と同じ国の生命倫理学の研究者等がもっと発言して欲しい(特に海外に向けて)と思っている。英語文化圏で展開される首をひねる議論に対して、日本のオリジナルな心性や姿勢が何ら反映されず無視される格好になっていると懸念されるからだ。
少なくとも私自身について言うならば、カードに臓器提供の意思表示をすることは無い。また生命を高度に操作する先端医療が、いったいどこまで進んだら“もうここまででいい”と言うつもりなのだろうと不思議に思ってもいる。そもそもそのような考えを持たずに推進される(ように見える現状となっている)ことが、私に強い抵抗感を植え付けている。これらに対応して設置される倫理委員会等は、科学的操作に対するエクスキューズを構成する装置となっているかのようなニュースも聞かれる。
不妊に対する生殖医療についても、これと並行して養子縁組に対する社会的理解と整備が進められて良いはずだとも思っている。そのような人生(当該の方々ならびに彼ら以外の人の人生を含む)に対する選択の多様性が確保されないままに議論の進むように見えることが、どうにも引っかかってならない。
そのようなわけで、昨今海外からもたらされる動向には戸惑いを覚えることも少なくない。たとえば spitzibara さんから提供された幾つかのブログエントリー。
- 映画「私の中のあなた」は“空想”でも“未来の話”でもなく、既に現実(by spitzibara 2009/9/15)
- 臓器移植ネットワークが映画「私の中のあなた」とタイアップすることの怪 (by spitzibara 2009/9/16)
最近つとにテレビには縁がなく、酒井法子さんがどうなったのか家族に聞いてやっと知る始末。そのためか、上記作品が既に映画化、上映間近でCMも流れているなど知らずにいた。
原作は紹介されてすぐに買ったのだが、そのままうまく読めずにいた。もう一度手に取る。彼女の困惑は理解できる。
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私が買ったのは上記だが、文庫本も出ているらしい。
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以下、関連。
カズオイシグロ「わたしを離さないで」は既に読んでいる。spitzibara さんのエントリーを過去にさかのぼって読んでいたら、そんなことも思い出した。こちらのほうがセンチメンタルというかファンタジーな印象を受ける。しかし私はこれに影響を受けて、Never Let Me Go の曲が入ったCDを買ったんだよなあ。そんなことまで思い出した。
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※他のCDはこちらから探すことができる。Amazonからももちろん買えるが、品揃えが違う気が。
こちらの Adele Nicols さんのページで、わずかながら Never Let Me Go ほかサンプル音を聞ける。どんな雰囲気の曲かは分かるかも。