キャンパス内バリア調査とコラボレーション

今年度後期にキャンパス内バリア調査を行っている。とりあえず今回は調査フォーマットを整えることとし、一部エリアについて実施。得られた成果をどのようにまとめ、データとして積み上げるかをやる。


これまでも必要に応じてというよりも必要に迫られて(障害学生から不便不自由の相談があり)調査は行っていたのだが、学内全体を把握することはできなかった。他の学系の先生も独自に調査されていらしたことがあったが、これも私たちが上手く活用できていなかった。大学にしても、例えば多機能トイレの場所を把握できていなかった。その場しのぎであり断片的であることに、もどかしさを感じていた。前に使った調査データがいつの間にか活かせなくなることも課題と思っていた。*1
そうしたところ、昨年、キャンパスマップに多機能トイレを掲載するのだが障害学生支援室は知っているかと問い合わせがあり、しかし分からなかったので慌てて調べた。スタッフだけではとうてい無理だから、学生にバイト代を支払って確認した。とにかく広いキャンパスというのは見目麗しいけれど、学生にとってはバリアとなるし、調査ひとつとってもたいへんだ。


他大学の良い先例としては、京都大学関西大学がある。

京都大学はアプローチルートの紹介が面白い。またお金をかけたマップかなと思われる。あるいはその領域の専門家が関わったのか。
関西大学のマップの目的は、各部屋の使い勝手に集中している。こっちはいろんな学生が関わって作り上げたであろうことが伺える。
それぞれに特徴があって面白い。うちは来年度くらいまでで仕上げる予定。

海外の障害学生支援関係ページでもどこかマップがあったのを見かけたが、ちょっと忘れた。調べればすぐ分かるから検索されたし。


さてそれでうちの話。
良い機会となったので、今年度は少し予算をいただいて一部の調査に取りかかった。今回の目的は手順を確立すること。調査項目の検討、調査様式の設計、多くの学生と一緒にやる場合の手順開発など。
そして期待される機能は、蓄積ができること、更新ができること、そして必要なときに必要なデータを取り出し、改修申請などの資料として提供できるようにすること。欲張りと言われそうだが、先ずは今回やってみて考える。1回調査やりました、だけではどんどん環境が変わってしまうし、キャンパスが広いので一括実施も困難となれば、更新可能性はやはり必要な要素となる。(上手く行くかどうかは今後の成果次第だけれど、現場からこれまで痛感しているので)


エリアを分けてグループで調査する方法をとることにした。調査には写真を撮ってもらうこととし、写真データと調査シートの突合ができるように工夫した。
予め学生が中心となって調査シートを作ってくれたので、ひとまずは得られたシートをバインダーに入れればデータベースとなる。
ただ電子データにできればもっと楽だろう。これらは今後の課題。

そして、今後は一部データをどのように公開していくかを考える。できるかどうか分からないけど、他部局と協議する。実益とともに、public awareness の向上も目指す。


昨日はご近所の筑波技術大学の先生と一緒にキャンパス内を廻った。ほんの一部だけど、さすがに建築学、それも障害者施設建築の専門家だけあって、いろいろお教えいただいた。今後は互恵的に関わりを進めていくことを話し合った。私たちの取り組みをより良くしていくとともに、先生の研究にも利があるようにしていければと思っている。

そのような話し合いをずっとやっていたので、昨日はとても楽しい日となった。できれば次年度には他大学との情報交換や連携にしていけたらと思っている。(バリア調査だけではなく、障害学生の支援や就職支援などのことも含めて)

  

*1:もちろん完璧なデータ管理は無理なのだ。であるにしても。

*2:ページ構成としては、相談のページの下に相談室とマップが掲載されている。