「わかりやすい成年後見・権利擁護」(村田・星野・池田編)、それから授業のこと

下記の本が出ました。社会福祉士養成課程の新規科目「権利擁護と成年後見」に対応したテキストです。私は事例部分でひとつ書いています。他で伺った話も含め、複数の例を組み合わせるとともに架空の設定も加えていますので、私の事例はフィクションと言って良いと思います。


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わかりやすい成年後見・権利擁護

わかりやすい成年後見・権利擁護

なんだかAmazonのタイトルの出し方が変なので、楽天も出しておきました。しっかりしてくれ>Amazon(2009-10-16現在)


それで他の方々とも先日話していて頷き合ったんですが、フィクションにして書いていくと、どこかでほころびや話の無理が出るんですね。読者には分かってしまうか分からないか、その辺は定かじゃないんですけど、書いているほうからすると、不自然だよなあ、と。とはいえ、たとえこれが学会発表事例であったとしても十分な留意が必要とされる時代ですので、いろいろと工夫をします。
こんなことを書いたからといって、私の分担節のあら探しをしないように。


本学の授業としては、12月から開始です。2コマ連続形式で10週ほどの予定。
法学の基礎的な部分については手こずるなあ。違法性阻却事由とか事務管理とか一身専属とか、人間観の昨今の変化や消費者法の基本、あるいは精神保健福祉法における保護者との関連など、直接にかかわる用語については立場上いちおう勉強してるんですが、やはり憲法民法の基本的なところはぜんぜんです。加えて行政法などとの関係とか。やはり講義は福祉的な立場からの構成になります。


オリジナルには、能力論の課題や決定支援のあり方との関連(国連障害者権利条約12条を巡る動きを含む)、ソーシャル・レポートの意義、Mental Capacity Act 2005について、それからウチの法人(PACガーディアンズ)の活動などを加えて、後見支援あるいは権利擁護支援の視点を強調することになるでしょう。もちろん実務的な限界や課題をどう考えるか、権利擁護の主旨が如何に実現されているか(いないか)、さらには保護的すぎる本邦の制度をどう考えるかなどにまで行き着くことを企図しています。*1


(関連)


ps
そんな先の話よりも、来週から始まる授業の準備がぜんぜんだったことにさっき気づいた。
 

*1:いや、企図だから。