自由のために病院を出る

知人からの紹介。国立病院機構の病棟から地域へと出ようとする人がいるとのことで、以下に紹介する。
 
ボランティア:来春の“自立”希望 難病で幼少期から入院の2人が募る /千葉(毎日、千葉、2007年11月9日)
(リンク切れの場合はこちらのキャッシュ記事をご参照ください)
 
今回は記事本文も以下に掲載。

ボランティア:来春の“自立”希望 難病で幼少期から入院の2人が募る /千葉


 ◇下志津病院の大山さんと越川さん、自由な暮らし支えて

 幼少期から約30年間、難病で入院生活を続ける車椅子の女性2人が、自立生活を支えてくれるボランティアを募っている。2人とも全身の筋肉が萎縮(いしゅく)する病気を患っているが、退院して1人で暮らすことを望んでいる。【山本太一】


 四街道市国立病院機構下志津病院」に入院中の大山良子さん(37)と越川清美さん(39)。大山さんは脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)を患って8歳から入院。越川さんは筋ジストロフィーで11歳で入院し、今は人工呼吸器を着けている。


 大山さんによると、院内での生活は、起床や食事、排せつなど毎日決まったスケジュール通りに進められる。職員も多忙のため、「売店に行きたい」「本を読みたい」といった患者の個別の要望を聞き入れるのは難しいという。


 こうした現状を知った同病院元職員で、千葉大大学院生の伊藤佳世子さん(35)が、1人暮らしを勧め、2人もそのためにボランティアを募ることを決意した。


 支援の輪は徐々に広がり、2人に共感した淑徳大総合福祉学部の山下幸子専任講師が、同大での講演会を7日に開催。学生に障害者の現状を訴えるなどの活動に取り組んでいる。


 大山さんは「気分転換の散歩や映画の鑑賞、趣味の絵を描くことなど、自分の好きなことをやりたい時間に自由に取り組みたい」と1人暮らしの意義を強調。その一方で、「責任も伴うため、何度も高いハードルを越えないといけないと思う」と話している。越川さんは「この先の人生、何年生きられるか分からない。病院の外の自由な空気の中で生きる協力をお願いしたい」と話している。


 来春からの1人暮らしが目標で、居住地は未定。ボランティアには、トイレや入浴、車椅子の乗り降りの介助の他、洗濯、掃除など生活全般の支援を協力してもらう予定という。問い合わせは、大山さん(メールアドレス big-mountain-325@yahoo.co.jp)。


毎日新聞 2007年11月9日


居住地未定とのことだが、ひとまずは四街道・千葉のあたりで暮らすことになるのだろうか。どなたか繋がる人がいれば、介助ローテーションに加わっていただきたい。

記事によれば、“職員も多忙のため”“「売店に行きたい」「本を読みたい」といった患者の個別の要望を聞き入れるのは難しい”のだそうだ。
ひところの療護施設がやはりこのような不自由を利用者に負わせる状況であったかと思う。関東〜近畿の幾つかの施設に聞いたところが、最近はそれほどでもなくなったところもある。長年にわたる利用者(とこれを受けた施設職員)の努力の賜(たまもの)だろう。もちろん課題はあるだろうが、それでも変化してきた。

国立病院機構についても同様に中にいる人とこれにかかわる人との関係は存在する。しかし「介助」という言葉で語られにくいところにあるため、上記のような変化とは歩調が異なるようなことも聞く。

生活はそこに無いのかと言われれば、ある。その生活が保障されているかということでは疑問が残るのではないか。見直しが必要と思うところである。