コンタクトパーソンの整理(コミュニティフレンドとの関連で)
以下は河東田博教授の講演(平成19年1月18日)ならびにこれを書き起こして刊行した冊子「PACガーディアンズ講演録1」(PACガーディアンズ発行)からの引用。従って整理というのもおこがましく、単なる紹介というか書き写しであることは最初に言っておく。*1
なおその際の講演題目は「スウェーデンから見た知的障害者の成年後見・コンタクトパーソン」だった。スウェーデンの基本的な福祉の流れを説明いただいた後、日本の後見制度に当たるゴードマンやフォルヴァルタレの紹介をし、そしてさらにLSS法第9条に根拠を置くコンタクトパーソンに展開していった。
以下ではその一部分、コンタクトパーソンの説明時に使われたパワーポイント資料からの抜き書きである。
LSSサービス利用の実態(主なもののみ)
(いずれも2005年10月の統計による)
- LSSの対象者 54,300人(男30,800人、女23,500人)
- パーソナルアシスタンス利用者 13,692人
- ガイドヘルプサービス利用者 9,558人
- コンタクトパーソン利用者 16,660人
- ショ−トステイ利用者 20,349人
※コンタクトパーソン利用者の16,660人は知的しょうがい者総数の約44%にあたる
コンタクトパーソンはなぜ必要か
- コンタクトパーソンは、個人的関心を発達させ、自分の友達を持ち、他の人と同様の個人的ライフスタイルを持つことができるように支援するために欠かせない人的援助手段であるため。
(Anden G.&Liljeqvist M.)
役割
- アシスタンスと援助 (Everitt&Grunewald)
- 社会とコンタクトをとる援助をすること。
- 十分に意義のある余暇を得ることができるように活動すること。
- 個人に必要とされるコンタクトを自分で獲得できるように援助すること。
- 他の人々と同じように生活できるようにするための社会生活上の人的援助の環/鎖。
(Anden&Liljeqvist)
活動内容
- 洋服・靴・身繕いに必要なもの・ものを買うための手助け
- 健康・医療・歯科治療の手助け
- 手紙の返事の書き方の手助け
- 職員との話し合いの手助け
- 社会参加の手助け
- 友達
- 相談相手 など
コンタクトパーソンを持ちたいかどうかの決定
- 本人および最近親者
コンタクトパーソンになれる人
- 本人と気軽に付き合え、彼らの相談相手や友達・手足となって援助してくれる人なら誰でも可。(資格は問題にせず)
(Grunewald), (Maj-Britt)
受付窓口
- コミューン援護事務局
位置づけ
- 有償ボランティア
上記のうち「LSSサービス利用の実態」の項目によれば、コンタクトパーソンの利用は知的しょうがい者総数の約44%にも及ぶとのことで、これはずいぶんと多いのに驚く。そして、他のパーソナルアシスタンスやガイドヘルプサービスが多く利用されているのとは別にコンタクトパーソンも使われていることが見て取れる。
また「活動内容」を見ると、“友だち”とのイメージから展開しているPACガーディアンズのコミュニティフレンドよりも、幅広い関わり方を対象としているようだ。と同時に“社会参加の手助け”“友達”“相談相手”も含めている。身近なところに位置づくことは同じだろう。そしてやはり、誰でも良いというよりも、“他ならぬAさん”との関わりなのではないかと推測される。
興味深いのは、「コンタクトパーソンはなぜ必要か」「役割」の項目だろう。“個人的関心を発達”“個人的ライフスタイル”が目指されている。そして社会とのコンタクトをとり、人的援助の環/鎖が広がっていくことが企図されている。
コミュニティフレンドも、社会との窓となり新しい世界が広がっていけば良いなと希望している。
ただ、コミュニティフレンドは今のところ、本人同士にあまり気合いは入って無くても良いと思っているのだが。いずれにしても関わり合っている結果はおそらく上記のようなところに行くんじゃないかなーと思うので。
…意図した方が良いのかな?
最後に。やっぱり、自分で行ってみないとだめかなー。そんな金無いです。