成年後見

決定支援を本当にやると大変だと思われている、ことについて

昨日のエントリーの続きあるいは補則。昨日の話は下記参照。 決定支援は為されていると思われている、のかもしれない(misc., 2008-05-05) 決定支援は後見の現場などで行われていると思われてる(かもしれない)と指摘されたことを前回書いた。私はあまり現…

決定支援は為されていると思われている、のかもしれない

以前に、日本の成年後見法では意思決定支援を担保しないと書いた。また、後見の現場で法曹関係者と福祉関係者が使えるガイダンスのようなものが必要だとも書いた(後者の話は「実践成年後見」No23所収)。 後見制度は決定支援を担保しない(misc., 2007-11-2…

当たった

というか内定段階だが、研究助成がいただけそう。成年後見制度の審理過程におけるソーシャル・レポート適用に関する基礎的検討を行ってみようというお題。 申請時はとても忙しかったから、えいやっと書いた。いろいろ考えてまあ今回は無理だろうと思っていた…

専門職後見人と身上監護/上山 泰

上山 泰著「専門職後見人と身上監護」(民事法研究会)が出版された。専門職後見人と身上監護作者: 上山泰出版社/メーカー: 民事法研究会発売日: 2008/04メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る目次などは出版社のページに記載さ…

後見の適用と後見人選任に関する更新制の議論

後見の適用*1と後見人選任の更新制は、他国では幾つも行われている。ということを先日知った。 むしろ、そのように意思決定権限を他者に移す(剥奪される)ことが継続的に定められてはならず、また実際上もそうできるはずはない(能力は諸条件との相対の中で…

講座終了(PACガーディアンズ/成年後見人候補者養成講座)

2月16日、3月1日と、2日間にわたって行われた当法人の成年後見人候補者養成講座が終わった。どうもお疲れ様でした。私は申し訳ないことに他の仕事が間に合わず、遅れて参加。というか、懇親会から参加というところか。本編については佐藤さんのブログ…

制度化と排斥

定年で退職される教授の最終講義を拝聴。私の所属セクションなので準備にも多少携わっていた。大仰なことを好まない先生で、かつまだまだ研究は続けるのだから最終講義なんて言われるのは抵抗があるとのことで、恒例より規模を小さくしての開催だった。こう…

成年後見・生活支援・コミュニティフレンドの整理

先日(2月16日)と3月1日に実施するPACガーディアンズの成年後見人候補者養成講座については先日案内したとおり。私は導入部、「成年後見の基本理念と権利擁護」というのをお話させていただいた。その中で、成年後見・生活支援・コミュニティフレン…

ひと駅分のリンゴ日和

昨日は成年後見人候補者養成講座の1日目だった。 →PACガーディアンズ/成年後見人候補者養成講座のご案内(misc., 2008-01-29)中身の報告については佐藤さんのブログがあるのでそちらを参照されたい。 →成年後見人養成講座(satosholog, 2008/02/17) どう…

PACガーディアンズ/成年後見人候補者養成講座のご案内

NPO法人PACガーディアンズでは、下記のような成年後見人候補者養成を行います。比較的短期間のプログラムにしていること、お子さんや親族などの後見をこれから行うであろう人も含め、必要な心構えや事務手続きの基礎的な内容と身上監護・生活支援を中心に…

委員会に参加、ひとまずの区切り/成年後見法学会

昨日は日本成年後見法学会の成年後見制度改善に関する委員会(のような名前)に参加。 今までの各委員の下案を委員長がとりまとめたので、これを集約的に議論する。問題を認識しつつも文言として書ききれない部分もあることは、どの提言でも同じだろう。悔し…

PACガーディアンズ定例会「長谷川秀夫氏講演会」

既に明日となりましたが、下記のように講演会を開催します。どうぞおいでください。 NPO法人PACガーディアンズ 定例勉強会のお知らせ 日頃よりPACガーディアンズの活動にご協力くださいましてありがとうございます。 さて、1月22日の定例勉強会には司法…

後見制度は決定支援を担保しない

日本の成年後見制度は、自己決定支援をやっていないとの理解をしている。 もっぱら本人の契約・取引からの排斥であった禁治産制度から現行の成年後見制度に改正される際、海外動向を踏まえつつ、ノーマライゼーションと本人意思尊重や残存機能活用などの理念…

「成年後見人である親の集い」を開催(その4)

(その1)、(その2)、(その3)からの続き。 ひとり、最後のあたりで興味深い発言があった。息子の後見申立を行い、面接を受けるために家裁へ赴いた。調査官が息子さんに後見審判を受けることやその結果親が後見人となることについて本人に確認をした。…

「成年後見人である親の集い」を開催(その3)

(その1)(その2)からの続き。記録することやそこから考えていくことについて。親として必要になる、後見事務以外に大切なこと。 ある親御さんから、報告の必要性とは別に記録が大事という発言があった。いずれ自分から他の人に引き継がれるとき、被後見…

「成年後見人である親の集い」を開催(その2)

(その1)からの続き。自己紹介と後見類型、お子さんの障害程度(療育手帳判定)などをひと渡り確認してからテーマに沿った意見交換に移る。参加者すべてが後見類型、そして1人を除いて○A〜A判定だった(1名がB1判定)*1,*2。前回は細かいアンケート…

「成年後見人である親の集い」を開催(その1)

11月5日、PACガーディアンズの企画として以前(2005年12月)も開催した会を、好評につきもう一度行った。各員のご意向により、今後も継続的に開催することとなりそうだ。参加者の声によれば、親が後見人になるのが良いと言われてなってみたものの情報…

協力関係が増えてきて嬉しい

PACガーディアンズとしての相談がいろいろ出てきたという話を、先日書いた。→後見を念頭に置きつつ、その前のほうでバタバタする(misc., 2007/10/16)相談は後見事務に携われる方々を中心に取り回す体制をとっているのだが、ここへの協力者も増えてきた…

実例からみた身上監護の枠組みと運用(実践成年後見No.23)(その3)

今までに書いたのはこちら。→(その1) →(その2)いい加減長くなったので、1〜2点を簡単に。

実例からみた身上監護の枠組みと運用(実践成年後見No.23)(その2)

(その1)の続き。筆者として名前を挙げたメンバーは、いずれも成年後見制度改正のための議論に参加していた。そこで身上監護について、いわば本来的な事務であるところの法律行為(領域1)に加え、このような法律行為を完遂させるために必須の事務として…

実例からみた身上監護の枠組みと運用(実践成年後見No.23)(その1)

標記のような原稿を書いた。他の情報も併せて記載するとこうなる。名川勝・菅井昌恵・笠原美和子・佐々美弥子:実例からみた身上監護の枠組みと運用.実践成年後見,23,30-35,2007.共著者の3氏はいずれも社会福祉士として多くの後見実務にも当たっている…